ライフハッカーでは、過去記事「モチベーションを強力に上げるサイト『Succeed or Else!』」や「目標達成にドライブをかけるためにオンラインを活用する、4つのコツ」など、様々な観点から目標達成につなげるコツについて採り上げてきました。これまでは、自分の目標を明確化し、他の人々と共有したり、公表したりすることで、モチベーションアップを図るというアプローチを中心にご紹介してきましたが、こちらでは別のアプローチ「黙して語らず」法をご紹介します。
ミュージシャンDerek Siversさんは自らのブログで、自分の目標や計画を公表する人は目標達成しづらいという説を紹介しています。このテーマについては長年研究されているらしく、1933年にW.Mahlerさんが実施した実験では「課題とその解決方法を他人に共有してしまうと、実際に解決策が実行されていなくても、脳が"実行した"と認識しがちだ」ということが明らかになったとのこと。また、同様の研究に 1982年から取り組んでいる米ニューヨーク大学の心理学者Peter Gollwitzer教授も『Symbolic Self-Completion』(※PDFバージョンはこちら)や「When Intentions Go Public: Does Social Reality Widen the Intention-Behavior Gap?」で発表しているとおり、63名を対象とした4種類の実験で自分の意志を他人に話さなかった人はそうでない人に比べて目標達成しやすかったという結果を得たそうです。どうやら、自分の目標を他人に語ることで満足してしまい、努力して目標達成しようというモチベーションが下がってしまうようです。
自分の目標や計画を秘密にするのは一見不自然かもしれませんが、やってみる価値ありとのこと。もし友人に話すならば、自分の脳が話すことで満足してしまわないよう「最近、ジムの会員になったんだよ」とか「ランニング用のシューズ買っちゃった!」などといった具合にポジティブに話すのは避けるほうがよいそうです。むしろ「最近太っちゃってさ~。」とか「健康にためにも痩せなくちゃ」のようにネガティブに言ってみることで、目標達成へのハングリー精神を刺激するほうが効果的とのことですよ。
最近は欧米型の「有言実行」が主流ですが、ここはあえて原点回帰。侍のごとく、黙して語らず、行動で示すというアプローチもアリかもしれませんね。自分の性格に合ったGTD法を見つけてみましょう。